厚生労働省から出された東日本大震災に伴う労働基準法Q&A(第2版)
東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の発生により、被害を受けた事業場においては、事業の継続が困難になり、または著しく制限される状況にあります。また、被災地以外に所在する事業場においても、原材料、製品等の流通に支障が生じるなどしています。
このため、厚生労働省では今回の震災に関連し、労働基準法の一般的な考え方などについてQ&Aを取りまとめ、3月18日に第1版を公開しましたが、3月31日、この第2版が公開されました。第2版では、派遣労働者の雇用管理、解雇、採用内定者への対応、一年単位の変形労働時間制について9つのQ&Aが追加されています。以下は今回は公開されたもののうち、の一つですが内容を取り上げておきましょう。
【Q3−1】 | 今回の震災を理由に雇用する労働者を解雇・雇止めすることはやむを得ない対応として認められるのでしょうか。 |
【A3−1】 | 震災を理由とすれば無条件に解雇や雇止めが認められるものでは、ありません。また、今回の震災の影響により、厳しい経営環境に置かれている状況下においても、出来る限り雇用の安定に配慮していただくことが望まれます。 解雇については、法律で個別に解雇が禁止されている事由(例:業務上の傷病による休業期間及びその後30日間の解雇(労働基準法第19条)等)以外の場合は、労働契約法の規定や裁判例における以下のようなルールに沿って適切に対応する必要があります。 |
<期間の定めのない労働契約の場合>
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<有期労働契約(期間の定めのある労働契約)の場合>
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なお、個別の事案につきましては、各都道府県労働局等に設置されている総合労働相談コーナーにおいて、民事上の労働問題に関する相談・情報提供等を行っておりますので、必要に応じてご活用ください。(http://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html)
また、今回の震災に伴う経済上の理由により事業活動が縮小した場合に、解雇をせずに、従業員の雇用を維持するために休業等で対応される場合には、休業についての手当等が支払われ、雇用保険の適用事業所であるなど他の要件を満たせば、雇用調整助成金及び中小企業緊急雇用安定助成金が利用できます。これらの助成金の詳細については、Q1-3・A1-3をご覧ください。
その他のQ&Aは以下でもダウンロードすることができます。