違法な時間外労働を行わせた自動車運送業者を書類送検
江戸川労働基準監督署は、違法な時間外労働を行わせた自動車運送業者及び代表取締役を労働基準法違反の容疑で、平成25年5月15日、東京地方検察庁に書類送検した。
<事件の概要>
被疑会社は、労働基準法第36条に基づき労働者の過半数代表者と締結した時間外労働に関する協定(通称「36協定」)において、1か月間における時間外労働の限度として定めた45時間を超えて、同社トラック運転手に対し、平成23年6月1日から同年9月30日までの間、最短で1時間40分、最長で39時間33分、合計で80時間48分の違法な時間外労働を行わせていたものである。
捜査の端緒は、平成23年10月4日、同社の労働者であるトラック運転手がトラック(タンクローリー車)を運転中、静岡県内の国道において、中央分離帯の縁石に接触した後、反対車線に飛び込み、さらに転落防止のためのガードレールを突き破り、約50メートル下の崖下に転落して死亡する労働災害が発生した。
同社に対しては、過去にも違法な時間外労働を行わせていたことからその是正を求める行政指導を行っており、同社はその指導にもかかわらず繰り返して違反行為を続けてきたものであることから捜査に着手したものである。