昇降中の墜落災害で施工業者2社を書類送検
新宿労働基準監督署は、工事施工業者と同代表取締役、また、元請である共同企業体の代表会社及び同現場所長を労働安全衛生法違反の容疑で、東京地方検察庁へ書類送検した。
<事件の概要>
平成24年7月31日に、共同企業体が施工する東京都新宿区内の建設工事現場において、直径1.6メートル、長さ5.1メートルの金属製の円筒内に鉄筋で組み立てた基礎杭部分に生コンクリートを打設した後、杭の頭部で作業中、工事施工業者の労働者Aが円筒内部に取り付けた梯子を昇降中に墜落し、鉄筋の一部が体に突き刺さり重傷を負う労働災害が発生した。
捜査の結果、深さが1.5メートルをこえる箇所で作業を行うときは当該作業に従事する労働者が安全に昇降するための設備等を設けなければならないにもかかわらず、(1)工事施工業者は、自らが雇用する労働者に対する危険防止措置として、当該安全に昇降するための設備等を設けていなかったこと(2)工事の注文者である共同企業体の代表会社は、下請の労働者に対する危険防止措置として、当該安全に昇降するための設備等を設けていなかったことが判明した。