人事労務ニュース
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文書作成日:2021/10/05

20年ぶりに改正された脳・心臓疾患の労災認定基準

 脳・心臓疾患は、加齢や生活習慣等の日常生活による諸要因等の負荷により、発症することが多いものですが、仕事が主な原因で発症することもあります。そこで、厚生労働省は、労働者に発症した脳・心臓疾患について、労災として認定する際の基準を定めていますが、この労災認定基準について20年ぶりに改正されました。以下では、新しい基準のポイントを確認しておきましょう。

1.労働時間以外の負荷要因の考慮
 今まで、長時間の過重業務の評価にあたり、発症前1ヶ月におおむね100時間または発症前2ヶ月間ないし6ヶ月間にわたって、1ヶ月あたり80時間を超える時間外労働が認められる場合について、業務と発症との関係が強いと評価することを示していました。この基準について、これらの時間に至らなかった場合も、これに近い時間外労働があった場合には、「労働時間以外の負荷要因」の状況も十分に考慮し、業務と発症との関係が強いと評価することを明確にしました。

2.労働時間以外の負荷要因の見直し
 労働時間以外の負荷要因が見直され、下表の朱字の項目が新たに追加されました。

表 労働時間以外の負荷要因

3.業務や出来事と発症との関連性が強いと判断される場合の明確化
 業務と発症との関連性が強いと判断できる場合として、事例が示されました。

[短期間の過重業務]

  • 発症直前から前日までの間に特に過度の長時間労働が認められる場合
  • 発症前おおむね1週間に継続して深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行うなど過度の長時間労働が認められる場合
[異常な出来事]
  • 業務に関連した重大な人身事故や重大事故に直接関与した場合
  • 事故の発生に伴って著しい身体的、精神的負荷のかかる救助活動や事故処理に携わった場合
  • 生命の危険を感じさせるような事故や対人トラブルを体験した場合
  • 著しい身体的負荷を伴う消火作業、人力での除雪作業、身体訓練、走行等を行った場合
  • 著しく暑熱な作業環境下で水分補給が阻害される状態や著しく寒冷な作業環境下での作業、温度差のある場所への頻回な出入りを行った場合

4.対象疾病の追加
 不整脈が一義的な原因となった心不全症状等は、対象疾病の「心停止(心臓性突然死を含む)」に含めて取扱われていましたが、新たな対象疾病として「重篤な心不全」が追加されました。この「重篤な心不全」には、不整脈によるものも含まれます。

 会社としては、過重労働をさせないために、労働時間管理を徹底したり、労働時間以外のもので負荷がかかっているものがないか点検し、その改善を図ったりするなどの取り組みが求められます。

■参考リンク
厚生労働省「脳・心臓疾患の労災認定基準を改正しました」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21017.html


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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